作品概要
一昨年、京都で開催されたデジタルアートを用いた地域活性化プロジェクト『クリエーターズゲート』に参加したことをきっかけに、卒業制作においても同様の取り組みを行いたいと考えるようになりました。その中で、ナガタ先生から本プロジェクトをご紹介いただき、参加させていただくこととなりました。
本作品は、今年4月に開催予定の大阪・関西万博に合わせて、奈良県の魅力を広くPRすることを目的として制作を開始しました。具体的な目的は以下の3点です。
①大阪・関西万博の開催をきっかけに、奈良県内での盛り上がりを高めること。
②世界各国が直面している課題に対する解決策や知恵を奈良の事業者や県民が学ぶこと。
③奈良県の事業者や県民が、最新の技術に触れる機会を持つこと。
この作品のメインはナガタ先生が現在開発中のストリートライターというソフトになります。任意の場所を3D化しそこに自由に絵を描けるというものです。
現在までの進捗

この写真は去年の夏初めて博報堂プロダクトと奈良県の万博推進室の方にストリートライターの体験をして頂いたときの写真です。
上記の写真は、奈良芸術短期大学の方々と、ストリートライターの研修および活用について議論した際のものです。ARを用いて鳥居を美しく装飾する案や、文化財を題材とした作品制作など、数々の興味深いアイデアをご提案いただきました。


この写真は、今年1月に近畿大学の学生さんと一緒にストリートライターを体験した時のものです。後述する、私が提案したストリートライターの活用案を体験して頂きました。
ストリートライターの活用法
これまで、博報堂や奈良芸術短期大学の学生など多くの方から案が提出されました。その中で私が提案したものを紹介します。
特定の場所に依存しない活用法
- 企画内容 奈良県各地の人が多く集まる場所(駅や道の駅など)に真っ白の3Dモデルを表示できるQRコードなどを設置して、それをキャンバスに見立てて自由にデコってもらう。また設置する3Dモデルは地域ごとに縁のある土着の生物や物を活用することで、性格をつけて面白味をだしたい。
- 目的 1 .駅や道の駅など一般の方の目につきやすい所に設置することで機運醸成につなげいたい 2.ARという近未来的な手段で埴輪という奈良県らしい作品を題材に楽しんで貰うことで、楽しみながら奈良県の魅力また万博に対する期待感を向上させたい
- ターゲット 奈良県内外の観光客
- 実施場所 人が多く集まる場所 例:大きい駅や道の駅など
- 検討事項 1設置していいのか、事前に確認する必要がある 2土着の生物や物が何か
この案に基づてい1月近畿大学でそのデモをしたのが下の写真になります。

この体験会の反省点として以下の2つがありました。
①.3Dモデルをキャンバスに見立てるために真っ白のオブジェクトを作成したが、視覚的に分かりずらい
②.3Dモデルの説明がない
作品説明
これまでの反省を踏まえ埴輪を3Dモデル化し、自由に色付けできる作品へと発展させました。これは外国人にも日本の歴史や文化をより身近に感じてもらうためです。

大型円筒埴輪「古墳時代」
古墳時代の埴輪で、古墳に並べ死者の空間を守る役割があったとされる。

柵型埴輪 「古墳時代」
何かを遮蔽いする意図で作成されたとされるが。詳細は不明。

動物埴輪 「古墳時代」
動物埴輪は「魂を運ぶ、夜明け、神の使い」など神聖を意味する。

須恵器 「古墳時代」
宝珠系のつまみがある蓋と回転削りで表面を平らにする。また蓋の内側にはカエシがついている。

土師器 「古墳時代」
外側はヘラで削り形を整え、内側には放射状の暗文が描かれる。
ARに着彩する体験型展示
万博で活用するための実践的な取り組みとして、なわてんにも展示することにしました。


右が3Dデータとしてスキャンするためにスポットの写真として撮影したもので、右が3Dスキャンデータです。スキャンにはScaniverseというアプリで携帯で撮影しました。
この動画はスキャンの様子です。撮影のポイントしてフラワームーブメントという動きがあります。これは花びらの様に前後に動くとこから名づけられました。
この動画はストリートライターで実際に落書きしている様子です。絵を描くだけでなくテキストなども張り付けることができます。またその様子をリアルタイムに見ることも可能ですプレビュー
これらの実践をとおして万博においても実現に向けて現在進行中です。
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