大阪電気通信大学

うさぎとおおかみサマ

デジタル絵本「うさぎとおおかみサマ」のPVです。
まずはこちらをご覧ください!

【概要】

「うさぎとおおかみサマ」は、
メインストーリー、前日談、後日談の計3本のデジタル絵本となっております。

正反対だけど、どこか似ている。
そんなうさぎとおおかみの日々を是非覗いてみてください。

【キャラクター】

「うさぎとおおかみサマ」に登場する個性豊かなキャラクターをご紹介いたします。

うさぎ

耳の垂れた、小さなうさぎ。
突然消えた飼い主を探すうちに、森の中に迷い込んでしまう。
嬉しい時には「嬉しい」悲しい時には「悲しい」と、感情を素直に伝えることを大切にしている。
しかし、表情がほとんど変わらない為、相手によっては伝わり切らないことがある。

おおかみ

うさぎが迷い込んだ森の奥に住む、大きなおおかみ。
森にいる他の動物達からとても怖がられている為、孤独に暮らしている。
うさぎとは逆に、感情を言葉にすることは苦手だが、意外と顔に出やすい。

くま

森に住む、大きなくま。
おおかみにちょっかいをかけることを楽しんでいる。
とにかく純粋で、素直で、無知である。

もりのどうぶつたち

森に住む、仲良し3人組の動物達。
おおかみのことをかなり警戒している。
くまとは意外と仲が良く、くまがおおかみの所へ行こうとする度ヒヤヒヤしている。

はかせ

うさぎの飼い主で、博士をしている。
研究熱心なあまり、うさぎとの会話は少なかった。
それでも、うさぎから愛されていた。

じょしゅ

はかせの助手。
うさぎのお世話をよくしてくれていた。

【ストーリー】

「うさぎとおおかみサマ」3種類のストーリーをご紹介いたします。

■「つたえたかったから。」

「うさぎとおおかみサマ」シリーズのメインストーリー。

強くて誰も近寄らず、森の奥で静かに暮らしている大きなおおかみと、飼い主を探そうと脱走してきた小さなうさぎが出会います。
誰にも愛されないことから自ら孤独を選んだおおかみが、うさぎと出会うことで少しずつ感情に変化が起きていく物語です。

■「さびしくないよ。」

「つたえたかったから。」から、うさぎとおおかみが出会う前の、うさぎ視点のストーリー。

ペットとして暮らしていたうさぎは、飼い主とコミュニケーションが中々取れなくても「ご主人様は、忙しい人だから仕方ない」と自分の気持ちを隠していました。
しかし、飼い主と突然の別れがやってきて…。

■「どのくらいすき?」

「つたえたかったから。」のエンディングから数日後の、おおかみ視点のストーリー。

うさぎに毎日「私のこと、どのくらいすき?」と聞かれるおおかみですが、その度にはぐらかしています。何も進まずどうもしない会話が、いつの間にかおおかみにとっては当たり前となっていました。
しかし、そんな毎日が永遠に続くとは限らず…。

【制作動機】

自分自身が持つ価値観や考え方を表現することから始まりました。
私は、生きる上で「失敗」はしても「後悔」はしないよう心がけること。そして、自分の行動や発言は「様々な選択肢がある中で、敢えてその選択をしている自覚を持つ」ことを常に意識しております。

このお話に出てくるキャラクターたちは、それぞれ違う性格をしており「このキャラクターの考え方は苦手だ」などと思う方もいるかもしれません。しかし、それも一つの正しい考え方です。

こうした様々な解釈で、自分はどういう基準で、何を大切にして生きているのかを考えるきっかけを作る作品を目指しました。

【制作過程】

「うさぎとおおかみサマ」が完成するまでの道のりをご紹介いたします。

■4月〜5月:コンセプト 自己分析

コンセプトをひたすら考えました。
元々「自分にしかできない作品」を制作したいという思いがあり、自分の価値観や考え方を全面的に作品にする方向性に決めました。
そのために、とにかく自己分析をしたのですが、そのおかげで自分が何を大切にしているかが明確になったので、行動や発言に対する責任の重さや、他人との価値観の違いを知ることができました。
自己分析をした時間は、私が成長するために必要な時間だったと感じたので「自分自身を見つめ直すきっかけとなる作品」にもしたいと思いました。

初めは、自分を表現するために、自分に似た女性を主人公にする予定だったのですが、老若男女問わず沢山の方に見ていただける作品にしたかったので、手に取りやすく親しみやすい動物を採用しました。

■6月〜7月:脚本 キャラクターデザイン

コンセプトが決まったので、脚本に取り掛かりました。
主人公となるキャラクターは、人は皆多様であるということを表現したかったので、うさぎと狼という正反対な2匹を採用しました。
そして、視点がそれぞれ異なるストーリーを複数制作することで、視点による物事の捉え方の変化について考えられるようにしました。
上記のことを踏まえて、キャラクターの元となる動物についての情報や、ストーリーの展開などをひたすらメモに書き起こしました。

キャラクターデザインも並行して行いました。
初めはリアル調なイラストだったのですが、万人に人気なキャラクターは可愛らしい絵柄の方が多いこと、そして何より狼の迫力で子どもが怖がるかもしれないと思い、絵柄を変更することにしました。

初期デザイン(ポスター用)
初期デザイン(ラフ)

この事から、人気のキャラクターを沢山研究し、万人に受ける可愛らしい絵柄を目指しました。
あまり描いたことのない絵柄なので、ひたすら練習を繰り返しました。

絵柄変更後
修正版

うさぎの耳は、可愛らしさ、純粋さ、活発さを表現したかったので、少し誇張してツインテールのようなビジュアルに変更しました。

■8月〜10月:動画コンテ

初めは絵本の予定でしたが、いつでも誰でも手軽に見られるようにしたいという思いと、今まで学んできた「映像」と「イラスト」のどちらも活かせる作品にしたいと思いから、デジタル絵本という形を選択しました。

シーンそれぞれの表現の仕方に悩んだり、実際に動画にしてから脚本に違和感を感じてしまうなど、正直な所かなり大変でした。
ですが、何度も試行錯誤を繰り返した結果、納得のいく動画コンテを3本分完成することができました。

動画コンテと完成形の比較

おおかみの見た目が変わっているのはボツ要素です。
先入観に囚われて、本来の姿より悪く見えていることを表していたのですが、伝わりにくいと感じてボツにしました。おおかみが怒る時に目が赤くなる理由は、実はこの要素の名残だったりします。

■11月〜1月:イラスト 動画編集

動画コンテをもとにイラストを制作し、動画編集をしました。
3作品合計で、150枚以上のイラストが使用されています。
納得がいくまでひたすら修正を繰り返しました。

修正前
修正後

動画編集は、ストーリーの設定やキャラクターの言動を引き立てられるよう意識して編集しました。
そして、作品が完成した後には、少しでも興味を持っていただけるようPVの制作に取り組みました。

【最後に】

PVに「正解は誰が決めるのでしょうか」という言葉がありますが、私は、人によって正解は違うものだと考えております。
他の人と意見が違っていても、その考えはあなたにとって正解です。
そして、他の人の違う意見も、その人にとっての正解です。

自分と違う意見を、自分の正解を無理に壊してまで受け入れる必要はありません。
ですが、なぜこう考えるのだろうと理解を深めようとすることで、自分の中の選択肢が増えます。
理解した上で、自分はどう思うか。その答えこそが真の正解だと私は思います。

この作品を通して、沢山考えて、自分の思考を確立するきっかけとなれば幸いです。
最後まで見ていただき、ありがとうございました!

作者プロフィール

白井妙江音

総合情報学部 ゲーム&メディア学科
ビジュアルコミュニケーションデザイン研究室 所属

 

閲覧ありがとうございます(*^_^*)
大学ではイラストと映像を主に学びました。
制作楽しかったです♪

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