ーあらすじー
主人公の「パンダ」の元に、一枚の宝の地図が舞い込んできた。
家を飛び出し、地図に描かれた「宝物」を探す冒険を始める。
船に乗り、暗くて長い洞窟を抜けたどり着いた先にある「宝物」とは…
ー作品概要ー
ニードルフェルトの人形を用いたストップモーションアニメと
洞窟、川、図書館といった実写の写真を
クロマキー合成という技術を用いて融合させた作品です。
制作動機
この作品は、子供の頃から好きだった「空想」を形にしたいという思いから始まった作品です。
そこに、アニメーションと実写を合わせた作品を作りたいという考えが合わさった結果、ストップモーションで撮影した人形アニメを、クロマキー合成して実写に合わせるという今回の制作手法に至りました。
クロマキー合成
クロマキー合成とは、緑や青などの背景のみを透明化することで、
他の映像に合成する映像手法のことです。
以下はクロマキー合成の手順です。
1、グリーン(ブルー)バックで撮影
グリーン(ブルー)バックと呼ばれる緑色や青色の幕を人形の後ろに貼って映像を撮影しました。
パンダは緑色、わには青色の幕を使用しています。
2、背景の緑色を透明化する
Adobe Premiere Proという映像制作ソフトにある機能のひとつである、「Ultraキー」を使用し、
緑や青の背景だけを透明にします。
上の画像が実際にクロマキー合成を行ったものです。
先ほど背景にあった緑色が透明になっています。
3、実写画像と合成
透明化した動画と事前に撮影しておいた素材を合成しました。
まるで、本当にパンダが本の上に乗っているように見えます。
小道具
冒険の緊張感を演出するために、
小道具に一工夫を行なっています。
・紅茶染め
白紙のノートに霧吹きで紅茶を吹きかけ、
経年劣化した古書の雰囲気を再現しました。
作中の本に使われています。
染めの作業は1時間程度でしたが、本の乾燥に1ヶ月弱費やしました。
・ニードルフェルト
フェルト羊毛に何度も針を刺して固めながら、
ぬいぐるみを作りました。
主人公の「パンダ」と「ワニ」は、
ひとつひとつ丁寧に手作りしています。
制作時間はパンダが約3時間、ワニが約5時間かかりました。
見た目はふわふわしていますが、実際に触ると意外としっかりとした硬さがあります。
・黄金の笹
作中のニードルフェルトと
質感を合わせるため、
実際の枝を使用しています。
作中では、色味の調整を行い
金色に加工しています
・宝箱
百均で売っていた宝箱です。
内側が金属丸出しだったため、
木目調リメイクシートを貼りました。
こちらも、黄金の枝と同様に
色味を金色に加工しています。
・宝の地図
自作のイラストです。
手書き風を意識して製作しました。
・わに(初期案)
ワニの初期案です。
ワニに見えない、ポーズがおかしい
などの理由からボツになりました
使用ソフト
・Adobe Premiere Pro
映像編集を行えるソフトウェアです。
動画編集から音声加工まで、
編集に関わるすべての工程をこのソフト1つで行いました。
・Stop Motion Studio
ストップモーションの撮影に使用したスマホアプリです。
撮影はスマートフォンにこのアプリをインストールし、
アプリ内の撮影機能を利用して行いました。
最後に…
今回の作品では、初めてストップモーションアニメとニードルフェルトに挑戦しました。どちらも試行錯誤の連続で、思うようにいかないことも多くありました。特に、グリーンバッグを影の影響でうまく透過できなかったり、ニードルフェルトの針を誤って自分の指に刺してしまったり、作品提出の約1週間前にワニを1から作り直したりと、大変なこともありましたがなんとか完成させることができました。
この作品を通して、ニードルフェルトで作られたぬいぐるみのふんわりとした温かみや冒険のワクワクを感じてもらえたら嬉しいです。そして、少しでも「かわいいな」「楽しそうだな」と思っていただけたら幸せです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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